患者様向け

心房中隔欠損症に対するカテーテル閉鎖術
心房中隔欠損症に対するカテーテル閉鎖術
 経食道心臓超音波検査という検査が必要となります。受診される患者様は、検査に際して嘔吐の危険を極力少なくするため飲水・食事(昼食)を制限させて頂く場合がございますので、予めご了解下さい 。

心房中隔欠損症とは?
心房中隔欠損症(ASD:atrial septal defect)は右心房と左心房を隔てる壁(心房中隔)に穴があいている疾患です。このため、心臓の拍動にともなって左心房から右心房へと血液が流れるため、肺へ流れる血液が正常心と比較して多くなります。この結果、心臓ならびに肺循環に負担がかかりますが、心臓は大変余力をもって働いている臓器なので、多くの場合、血流の負担に対して心臓の部屋を大きくしたりすることで、心臓がこの状態に適応します。このため、多くは新生児期には症状に乏しく、幼稚園や小学校の入学時に検診で異常(心雑音や心電図異常など)を指摘されて発見されるケースが多い疾患です。また、無症状で経過することが多いため、成人においては最も頻度が高い先天性心疾患となっています。自然閉鎖することは非常に少ないため、成人になってから心臓の余力がなくなってしまった結果、運動時に増悪する易疲労感や呼吸困難(つまり心不全の状態)を契機に発見されることも少なくありません。

通常、欠損口のために、肺へ流れる血液と体へ流れる血液の比(肺体血流量比)が1.5を超えると診断された場合には、心房中隔欠損閉鎖術が必要です。

最新の治療法は?
治療法としては、従来は開胸して人工心肺を使用する外科的閉鎖術のみでしたが、近年諸外国では開胸手術でなく、体への負担の少ないカテーテル的閉鎖術が主流になりつつあります。この治療法は、カテーテルという細い管の先に特殊な器具(アンプラッツァー閉鎖栓)をつけて、足の付け根にある静脈から心臓内へ挿入し、心房中隔欠損を閉鎖するという方法です。アンプラッツァー閉鎖栓は、金属のメッシュでできた2重の傘を穴の両側ではさみこむように開くことで、穴を閉じるしくみになっています。

1  
2 3

世界各国では、2001年12月から2007年5月までにすでに10万個以上が販売されました。2006年4月から国内でも厚生労働省から保険認可され、カテーテルによる心房中隔欠損閉鎖術が、岡山大学病院を含む、全国10施設で施設認定され、厳しい審査をクリアした認定施設・医師においてのみこの治療が可能となっています。

すべての心房中隔欠損症が閉鎖できるというわけではありません。カテーテル治療と開胸手術とどちらが適切かの判断には、通常の心臓超音波検査に加え、経食道心臓超音波検査や心臓カテーテル検査などの詳しい検査と専門的な評価が必要です。

当院では、心臓血管外科 赤木禎治医師ホームページ)を中心に、循環器内科(心エコーチーム、カテーテルチーム、病棟医など)、小児科医が連携して心房中隔欠損症に対するカテーテル閉鎖術に取り組んでおります。当院で治療を受けられた患者様は、中四国地方はもとより北海道から沖縄まで全国各地に及びます。また、治療件数も国内屈指であり、2007年12月までの時点では140症例と2007年の治療件数は国内1位を誇っています。成人の患者様の場合は、当科(循環器内科外来医師)もしくは心臓血管外科 赤木禎治医師外来(木曜日)が診療の窓口になっております。また、他医からの御紹介の患者様の場合も、紹介元の医療機関から循環器内科あるいは心臓血管外科へご連絡いただければ、外来を経由せずに直接入院を予約することが可能です。

(図は、製造元AGA medical corporation、輸入販売元日本ライフライン株式会社よりご提供いただきました)

Copyright © 2003-2009 Department of Cardiovascular Medicine, Okayama University. All Rights Reserved.